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重症者ホームひさやま



現在、全国で約4万3千人といわれる重症児者の3分の2は在宅で過ごされています。医療的介入や高齢化のため、より重症の方が増え、また保護者の高齢化も進む一方で、行政においては、医療のみならず福祉介護政策も衰微の方向への危惧を否めません。そんな中で、2009年度から久山療育園重症児者医療療育センターでは、「重症児者を地域の中心に」という創立理念の下、「在宅支援プロジェクト」と称して、新しい福祉社会づくりの拠点となるべく、通園・短期入所・訪問などの在宅支援事業の充実とともに、在宅重症児者の入所(入居)事業を策定してまいりました。

そして2015年7月、今までの支援事業をさらに地域の中で統合、連携して利用者の便に供する事が出来る「在宅支援センター」の核としての「在宅支援棟」、久山療育園の医療病床を、介護福祉施設として受け継ぐ入居施設の「重症者ホームひさやま」が開設いたしました。これらの施設が、在宅で過ごされてきた重症児者や家族の福音となり、私達が「共にある」存在となれば幸いです。
●重症者ホームひさやま 理念

1.キリストの福音を土台として、「重症児者と共に」「重症児者を地域の中心に」  という久山療育園の設立理念に基づき、運営を行ないます。

2.自己選択・自己決定を基本とし、その人がその人らしく生きていける様に支援 します。

3.親と子のつながりを大切にし、暖かく家庭的な重症者ホームを目指します。

4.地域との交流を大切にし、地域に愛されるような重症者ホームを目指します。

●重症者ホームひさやま 施設長メッセージ
 重症者ホームひさやまは、重症心身障がい者をお受け入れするグループホームです。これまで重症者の方々は、グループホームでの生活は難しいとされてきました。心身に重い障がいをお持ちの方々は、日々の医療的ケアを基本とした注意深い介護が必要となるからです。重症者ホームひさやまは、お隣りの久山療育園と協力して入居者の方々の日々の医療的ケアをきめ細かく提供することで、重症者のグループホームでの生活を実現しています。
 加えて、入居者の方々の自分らしい豊かな生活を実現することが目標です。ことばでご自身の意思を表出することが難しい重症者の方々の意思決定にどう寄り添うかということは大きな課題です。
 日頃から表情やしぐさを通して気持ちや訴えを察することができる関係性を大切にしています。ここでも久山療育園の40年以上にわたる療育実践の歴史が活かされています。重症者ホームひさやまは、入居者の方々が、地域の中で、ご家族を含めた多くの方々と交流しながら、安心して、自分らしく生活することができる場所として創られました。重症者の方々の声にならない声を聴きとっていく支援を、地域に拡げていくことも大きなテーマの一つです。
 開設時、契約入居10室でスタートしましたが、現在は9室を契約入居、1室を短期入所室として運用しています。普段、在宅生活をしておられる方々が、友人宅にお泊りする感覚で、ホームの短期入所をご利用して頂けたらと思います。
 2015年7月に開設した重症者ホームひさやまは、多くの方々に見守られ、支援していただきながら、入居利用者の方々と共に歴史を刻んでいます。
●重症者ホームひさやま 設立理念

設立の目的

「重症者ホームひさやま」は、障害者総合支援法に基づき、利用契約者(入居者)が地域において共同して自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、主として夜間において、入浴・排泄及び食事などの介護等、その他の必要な生活上の支援を行ないます。

運営基本方針

1.「重症者ホームひさやま」の働きは、障害児・者と共に生きようとするイエス・キリストの愛の証であるという理念のもとに、キリストの福音を土台として運営されます。

2.『「重症者ホームひさやま」は、入居者とそのご家族にとっての家庭である』という理念のもとに、入居者を共に生きる家族として受け入れ、一人ひとりの尊厳を何よりも大切にします。

3.職員はホームの理念に基づき、それぞれの仕事を互いに理解し、協力しながら、入居者の生活の豊かさと安全を守ります。

4.入居者の「その人らしさ」が活かされる生活を提供できるように支援します。

5.障害のある方が、自分らしく地域の中で暮らせる社会作りを進めます。

医療サポート

■日常の医療

●入居者の医療サポートは、主に久山療育園の外来が対応します。
●入居者の健康チェックは朝、外来(通所)看護師がホームを訪問して実施し、その上で日中の活動  が参加できるかを判断します。
●診察が必要な場合は、久山療育園の外来を受診します。
●内服薬については、ホーム職員が管理します。
●歯科検診と治療は、久山療育園の歯科を利用できます。
●専門病院の受診が必要な場合は、久山療育園外来から紹介します。
●専門病院受診の際は、ご家族の付き添いをお願いします。


■夜間の医療
●夜間は支援員が介助を行ないますが、異常が見られた場合は、久山療育園の外来で当直医の診察を受けることができます。
●医療的ケアが必要となった場合は、一時的に久山療育園に入院し、健康状態の回復に努めることができます。

■緊急時
●久山療育園の外来を受診し他の専門医による緊急受診が必要な場合は、救急車を要請します。


●重症者ホームひさやま 施設の概要
開設年月日 2015年(平成27年)7月1日
経営主体 社会福祉法人
  バプテスト心身障害児(者)を守る会
理事長 宮﨑 信義
施設長 金子 政彦(作業療法士)
敷地 1,224㎡
延床面積 774.04㎡
利用定員 10名
福祉事業 共同生活援助事業所(介護包括型・空床利用型短期入所併設)